Sodegaura Column

【袖ケ浦な人々】分別

妻はごみの出し方に大変熱心である。

燃せるゴミ、燃せないゴミ、有害ゴミ、ガラスや空き缶、布類から紙類まで、細かく出し方が決められている。

妻はこれをよく守り、厳格にマニュアル通りの分別を行う。ときに珍しいゴミが出ると、「さて、これはどの分類に入るだろうか」と分別方法のポスターに照らしているし、それでもわからないときは市役所に電話して確かめるほどの奮戦ぶりだ。

私が大雑把に少しくらい分別の曖昧な物が入ってもいいだろうと思って、そうすると、妻がチェックし早速やり直しの命令が下る。

家庭だけの事ではない。

建築業の我が社でも今や徹底的なゴミの分別処分を行っている。

鉄、非鉄、プラスチック、石膏、紙、コンクリート、ガラスなどを詳細に分別して、業者に引き取ってもらっている。そうすることで処分費が安くなることもあるが、社会的な責任を果たすことの方が大きい。

10年、15年前はもっとラフに廃材を搬出していたと思うが、今や分別には相当神経を使う時代になった。

貝塚は縄文時代の遺跡であるが、貝殻の他にも、人骨、動物の骨、土器のかけら等が混在しているという。つまり食事の残滓も仲間の遺体も、焼き損ねた土器も区別なく放り投げられて処分場だったのである。

それを思うと、分別と言う作業が出来るのは、現代人を現代人たらしめる象徴的行いなのかもしれない。とりわけ妻のごときは人類の最先端をゆく文化人と言えるだろう。しからば、いちいちの妻の小言にも耐えて、正しいゴミの出し方を辛抱強く励行しようではないか。

これを世間では分別(ふんべつ)と言う。

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山田 悟

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山田能力開発研究所。雨漏り・防水・屋根と壁の補修・改修や鳥害対策の「山田技研」の代表。袖ケ浦市にて地元自治会の会長を務めながら、街を元気にする地域活動を行なっています。

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