伝統行事って見ていてもよく理解できないことがありませんか。でもその内容を知ると「なるほどそうか」と思えるもの。
鹿野山の白鳥神社前で行われる「はしご獅子舞」もその一つ。だってはしごに登る獅子舞って珍しいではないですか。理由を知るだけでも、その行事を楽しむ要素になります。
(写真提供:髙橋敬三さん)
(写真提供:石井志郎さん)
獅子舞は幸せを招くと共に厄病退治や悪魔払いとして古くより伝えられてます。「はしご獅子舞」で検索してみると鹿野山の獅子舞に関することがほとんどです。このことからしてもここだけの珍しいものであることが垣間見れます。
(写真提供:石井志郎さん)
ある説明によると、今から500年前に聖徳太子創建による神野寺が焼失。弘範(こうはん)上人という有名なお坊さんが再建に努めたわけですが、そのお坊さんを慕って木こりたちがこの地に移り住んだそうです。
(写真提供:石井志郎さん)
(写真提供:髙橋敬三さん)
その木こりたちが遠くふるさと高野を思って獅子に託した舞いを踊ったのが、この獅子舞の始まりと言われているそうですよ。ちなみにそのふるさとの高野山には牡獅子が住んでいたとか。
梯子は断崖を表現しており、鹿野山の断崖に登って遠く奥高野を眺め舞い狂った様子を表現しているそうです。
(写真提供:髙橋敬三さん)
ちなみに神野寺と白鳥神社の夜祭はかつては同時に開催されるもので、男女の貴重な出会いの場だったとか。そのことから縁結びのお祭りとしても知られていたようです。獅子舞とも関係があるのかもしれませんね。
県の無形民俗文化財に指定されているこの獅子舞、毎年4月28日、君津市鹿野山の白鳥神社前広場で開催されています。
川柳と旅と写真のホームページ[髙橋敬三]