活字離れと同じく書道離れというのもあるのかな…。中国が起源とはいえ、日本の伝統文化として親しまれている書道。でも、最近、書道を嗜むなんて機会もほとんどなくなってしまったような気がします…。子供の頃の授業の思い出しかないし。
立ち寄った君津市役所の1階にて、高校生書道による「のづかさ展」が開催されておりました。女子高生の爽やかな「ぜひ見ていってください」という声に足を止められ、展示された書道作品を見て、いや、拝見して、驚愕しました。
大人顔負け! こりゃスゴイ。迫力もなめらかさも、「これが書道だ!」と言わんばかりの圧倒感。
千葉県立君津高等学校書道部では、一年の集大成として卒業シーズンに校外書道展を開催しており、Apps Journalのスタッフはたまたまその展覧会に通り掛かったのでした。
とにかく本格的な作品がずらっと並び、高校生がこんなにも素晴らしい作品を書けるものかと感動しました。当日、たまたま地元ミュージシャンの方と拝見したのですが、「見ていて鳥肌が立ってきた。パワーを貰った感じ」と率直な感想を述べていました。うん、分かる。
作品をじっくり見ていると、「これ、私が書いたんです」と言って、若き書家が近づいてきてくれます。そこで地元の高校生たちとコミュニケーションを持つことができ、大人から子供までが一つになって書道について語り合うんです。
何人かの部員に尋ねたところ、小学生の頃に入賞した経験から書道に興味を持ち、真剣に習うようになったという子もいれば、高校に入ってから書道に目覚めたという生徒もいるのだとか。
カメラを向けると笑顔でピース! 大人顔負けの作品を生み出しながら、初々しい子供らしさが伺えるところがなんとなくむず痒い。
特に目立っていたのは、こちらの作品。全国高等学校総合文化祭 広島大会にて、全国の書道部の生徒たちによる一番好きな作品への投票によって見事一位に輝いた、二年生の渕上彩瑛さんの「臨・智永真草千字文」。金と銀の書体が異なる漢字が並ぶ芸術作品です。
紙面の大きさにも驚きですが、そこに太線・細線が見事に表現し分けられびっちりと書き込まれた文字…。家に飾りたくなるような素晴らしい完成度です。
個々の作品に、何が難しかったか、どこに取り組んだかなど作者のコメントが添えられており、それらを読んでいるのも楽しいひと時でした。
ちなみにApps Journalの管理人である筆者が一番好きだったのはこちらの真ん中の作品。立ち止まってじっくり見入っちゃいましたね。
近年は「書道パフォーマンス」という、ステージ上で大きな筆で字を書くというパフォーマンスもあって、それを見て書道の面白さにハマったという部員さんもいらっしゃいました。ちなみに、顧問の中山晃男先生は書家の幕田魁心(まくたかいしん)さんのお弟子さんだとか(生徒さん談)。高校生の作品でこれなら、プロの世界はもっと凄いんだろうなぁ…。
一年を通じて様々なパフォーマンス力を見せてくれる女子高生の書家たち。日本の文化に惚れ直すきっかけを与えてくれます。高校生書道にもぜひ興味を持ってみてください!
平成27年度 千葉県立君津高等学校書道部校外展「のづかさ展」
会期:平成28年3月15日〜18日
会場:君津市役所1階 ロビー