先日、古民家再生や建物リノベーションの話をしていた際、キッチンのリフォームが必要かどうかという議論になりました。
素人では分かり難いキッチンのリフォームの裏側や秘訣について、地元密着で地域に数多くの住宅を建築してきた、君津市の老舗工務店 有限会社伊島建築の4代目となる伊島一欽(いじまかずよし)さんにいろいろ質問をぶつけてみました。
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取り替え時期は「見えない部分」が大事
システムキッチンの取り替え周期って分かり難いですよね。伊島さんによれば、最近のシステムキッチンは25年とか使えるというものもあり、素人の目には家の建て替え周期に並ぶとして、全く取り替えないという場合もあるようですが…。
実は見えないところが判断がポイントなんです。例えば水道管に鉄管を使っている場合、水道管が傷んでいる場合があり、蛇口を新しいものに交換しても水道管から漏水するケースがあります。中古住宅を購入する場合は、やっぱり水道管もチェックしてもらったほうがいいですね。
壁や床など、リフォームのために壊してから傷んでるところが出てくる場合もありますので、水回りを交換するときはその補修や保守のための予算を少し多めにみてもらえると、とてもありがたいです。後になってから請求すると、お互いに気分が良くないものですし…。
例えば、入居時にキッチンの収納部分の床がふやけてしまっていたというケースがありましたが、漏水の可能性も否定できません。ひどい場合は、キッチンを撤去したときに下のフローリングまで交換しないといけない可能性もでてきます。
システムキッチンの賢い選び方
システムキッチンを新しくしたいと思っても、自分の好みだけで判断できないのがリフォーム時の難しさ。中古物件のキッチンを自分仕様にしたいと思ったとき、どんなポイントに注目してシステムキッチンを選んだら良いのでしょうか…?
まず、自分が普段使っているキッチンの大きさと比較して、同じ大きさかそれより大きいキッチンを選んだほうがいいですね。それまでより小さいものだと、不自由を感じて必ずと言っていいほど後悔の念が強くなります。それまでよりも何かが進化したものが、納得のリフォームになりますね。瞬間湯沸し器をお使いの方なら、ワンハンドルレバーのものを選んでみるとか、レンジフードも自動洗浄付きなど、様々な種類があるので確認してみましょう。もちろん、金額が高くなりますのでよくご予算を検討してください。
キッチン本体の高さの選定は「身長÷2+5cm」という計算値が目安とされていて、理論上では判断ができると思われがちですが、やっぱり実際に立って確認してみるのが確実です。ショールームをそのために大いに活用してほしいですね。
食器洗浄機を付けた場合、今までの家庭用食器洗剤を使うと泡がたちすぎて故障の原因となりますので、食器洗浄機専用洗剤を使います。こうした、キッチンが変わることによる日用品の変化というのも、生活上のランニングコストに影響するという、ちょっとしたことですが、頭に入れておくと良いですね。
リフォームでなんでもできるとは考えないほうが良いかもしれません。例えば対面式にしたいなどキッチンの位置を変えようとする場合、マンション等の場合は配管の勾配が取れない場合もあります事前に。
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キッチンが変わると毎日が変わるほど影響がありますから、じっくり良いものを選びたいですよね。失敗しないリフォームのためには、専門家によく意見を聞きましょう!