君津市の市街地の近くに、市民が身近に親しむことのできる自然林として平成10年から整備を進めている「三舟山アメニティーロード」という遊歩道があります。
貴重な植物が生え、誰でも気軽にハイキングや自然散策を楽しめる眺望も素晴らしい20ヘクタールものこの市有林は、毎年4月には2000人もの参加者が集う「三舟山お花見ウォーク」も開催されている、地元の立派なレジャースポットの一つと言えるかもしれません。
そんな三舟山のふもとには立派な案内所が。ここでは三舟山コースマップの配布やハイキングルート案内、季節の写真の展示などが行なわれているのですが、なんとこの場所が様々な軽食やワークショップを楽しめるイベント会場として用いられるようになりました。
その名も「三舟山マルシェ」。2015年8月13日第1回から同年11月までにすでに4回開催されています。
第1回となった8月13日のお昼頃に会場を訪れると、午前中の天気があいにくの雨模様だったものの、十分の賑わいとともにたくさんの笑顔があふれていました。
このイベントでは、様々なジャンルの個人・事業者が出店されています。地元の有機野菜や、クラフトアート、ファーストフード、そしてカフェ。
中でも興味深いと感じたコンテンツの一つは、地元で活躍するアーティストによるライブアート。
子供達が集まってきて思い思いにキャンバスに描くその姿に、大人たちも元気を得ていきます。マルシェでアートを楽しむということも、子供達にとっては印象深い思い出に。
さらには養蜂所からの出店もあり、安全管理のもとでのミツバチの様子を直に見る事ができたり新鮮なハチミツを味わう事ができたりと、とてもバラエティーに富んだ楽しみ方ができます。
こうした場を用いて地元の若者たちが産み出したブランド米も販売されていて、地域活性化としての重要な要素が満たされていることを感じさせられました。
主催しているのは地元の30代を中心とした、活発な世代。Facebookやチラシを用いて適度に宣伝していたため、老若男女を問わずあらゆる方々が集まっていました。企画力の巧みさを裏付けています。
案内所には、ハイキングコースで利用者たちが撮影した写真などが展示されていました。ここには常に写真が飾られているわけですが、こうしたイベントがあることによって多くの方に鑑賞していただく機会が作られたことになります。
実はこの日、施設の管理人の方にお話を伺いました。市が整えたこのハイキングコース、実際には普段の利用者もそれほど多くはなく片寄りもあり、どうしたらもっとファミリー層を含めて多くの市民に利用してもらえるか、と試行錯誤なのだそうです。
とても景色が良く、のびのびとした自然環境を楽しみながら健康的なひと時を過ごせる素晴らしい施設であっても、利用されなければ宝の持ち腐れに。ところがこうしたマルシェを開催することでこの場所をまずは知ってもらい、利用者が増えるきっかけになるならば行政サイドも応援したくなってきます。
とはいえ、こうしたイベントを行うのは決して簡単なことではありません。例えば、過去にはここでホタルを鑑賞するイベントを開催した際に、人が集まり過ぎてしまって幾つものトラブルが発生したことも…。
広さや駐車スペースには限界があるため、そのイベントにちょうど良い数のお客さんに来てもらうために、宣伝のバランスというのも考えなければなりません。
加えて、こうしたイベントは継続性に悩むことも。繰り返し開催することで「飽き」が来てしまうことが多いものです。
ところがこのマルシェ、第2回の開催では出店者を増やし、第3回では行政とコラボレーションして世界的なSNSゲームを誘致しての特設イベントを併設、そして第4回ではワークショップを展開するなど、回を重ねるごとに発展を遂げているのです。
とにかく様々な部分でとてもバランス良く企画されているイベントであることを実感させられました。
①様々な方が参加でき、②出店者の参加が発展的であり、③コンテンツがバラエティーに富んでおり、④開催のたびに進化しており、⑤行政を応援することにもつながるコラボレーションを実現しており、⑥継続しやすい規模に抑えており、⑦告知や開催後の動画などネットを用いて実績をしっかり記録として残している、などなど、学ぶところの多い「三舟山マルシェ」。
そう考えながら、出店されていた台湾料理のメニューを楽しんだ筆者なのでした。
Youtubeで公開された第4回の様子も貼っておきます。BGMのセレクトなど、編集のセンスもなかなかですね。
次回開催時には是非とも訪れてみてください。詳細は下のFacebookページにて発表されます。
三舟山マルシェ[Facebook]