房総の玄関口と言われる「東京湾アクアライン連絡道」。
首都高を通る際、案内標識の横に「アクアライン」という標識が並んでいるので、その存在については意識はしていたものの、二拠点生活を始める前はなかなか渡る機会には恵まれなかったわけです。
アクアラインの全長は約14キロメートル。川崎側の9.6キロメートル区間は「東京湾アクアトンネル」、木更津側の4.4キロメートルの区間は「アクアブリッジ」で構成されています。トンネルと橋の境目のところに人工島が設けられており、そこに「海ほたるパーキング」があります。
途中で海底トンネルから出て橋になる、というのはなかなかないですよね。これだけでも面白い。「用がなければ房総にはいかない、だからアクアラインを通ることもない」という方もいらっしゃるかもしれませんが、実はアクアラインは観光スポットとしても魅力に溢れています。
通ったことがない方からは「アクアラインってどうですか?」みたいに尋ねられたりすることも。今では当たり前のように毎週通るので「どんなですかと聞かれても……」って困らないこともないのですが、皆さんは何と答えますか?
1997年に開通し、ここ数年で初めて渡ったのですが、感動したのを覚えています。そこで、初めて東京湾アクアラインを渡る人に教えたい3つの魅力を独断と偏見でお伝えします!
「青い」のを楽しんで
川崎側から木更津方面に向かう時、最初はトンネルに入ります。この時、海が見えないというところがポイント。「この先は海なんだ」という視覚的な意識がない状態でトンネルに入るわけです。
時間帯は朝。雲ひとつない快晴の空の時。アクアトンネルに入ると最初は地中に潜っていくかのごとく下がっていきますが、トンネルの出口に近付くと、今度は海上に向けて坂を上っていきます。
想像してみてください。トンネルの向こうに見えてくる眩しい光。出口です。そしてその出口を突き抜けると、真っ青な空に向かって走っていくのです。これが既に爽快感。
ところが、空が青いということだけじゃない。アクアブリッジに差し掛かってそのまま坂を上るように走り続けると、ついには頂点に達し、今度は少し坂を下る感じになります。
この時、左右の視界に広がる東京湾の海面に、空の青が反射してさらに青いのです! この青が美しいんです(個人的な印象ね)。太陽の光が水面にキラキラと反射し、上も下も右も左も青いその真ん中を木更津にビュ〜ンと真直ぐ伸びているアクアラインブリッジ。
こんな絵はここでしか見られないですよ。
逆に、木更津から川崎に向かって走る場合は、水面より低いところにトンネルの穴が空いていて、そこに入っていくわけです。東京湾に穴が空いてるってことですよ?
アクアブリッジは、木更津から渡り始めると最初は水平なのですが、途中から上り坂になっているので、視覚に入ってくるのは道上り坂の道路だけということになります。
ところが坂を上って頂点に達する頃には、今度は目の前に機動戦士ガンダムに登場するホワイトベースのようなゴツくてカッコイイ基地のような、海ほたるが見えるわけです。その下にぽっかり空いたトンネルに入って行く。
素晴らしい瞬間です。
光の輪
時間帯で言えば、夜。
川崎から木更津に向かって走ると、トンネルの出口を出て目に入るのは、漆黒の闇と言えるような夜空。そのまま走ると、次に目に入ってくるのは漆黒の東京湾。
黒い海の怖さったらありません。真っ黒い東京湾ですよ〜。ちょっとした恐怖感があります。
とはいえ、アクアブリッジの向こう側には木更津、袖ヶ浦、君津の夜景が見えるんです。これはこれで綺麗。
ところが、注目なのは左右の東京湾。前方の夜景が南北につながっているところまでは理解できますが、その夜景の光が左右の東京湾の海上につながっているんです。
なぜ? 海の筈なのに…!
実は、ある時間帯は夜釣り船や漁船だと思われるたくさんの船が東京湾の沖の方に出航しているのです! 左右どちらも、海の向こうに船の光がまるで街明かりのように夜景とつながっているんです。
これを、「光の輪」と呼ばせていただきたい。前方の街の夜景が左右の多数の船に繋がり、180度、光。(ちなみに後ろ側にもそのまま繋がっているので実際には360度の「光の輪」ってことですね。)
ちなみに木更津から川崎に向かって、暗闇の中でアクアラインブリッジを渡るとき、前方の遠くの方には川崎の工場地帯のようなオレンジ色の光が見えます。
漆黒の空、漆黒の東京湾、オレンジ色の前方の夜景、そして基地のようなカッコイイ”ホワイトベース(海ほたる)”とその下に潜っていくトンネル。
何とも言えない、不思議な感覚に襲われる絵(景色)ですね。夜に渡るアクアラインというのも、ちょっとした魅力です。
海ほたるからの展望
3つ目のポイントは、やっぱり海ほたる。ぜひ立ち寄っていただきたいですね。
何と言っても北側も南側もシーサイドビュー。東に木更津方面に向かって伸びているアクアブリッジ。ビュンビュン走る車を見ることもできます。
西はシーサイドおよび向こう側に陸地。特にこの西側は、東京湾の中のトンネルの天板が、川崎方面に向かってどんどん潜っていくのが目で見て分かります。こんな絵は、やっぱりここでしか見られない。
オンリーワンの景色があるというのは素晴らしいですね。
そんなわけでこれから初めてアクアラインを渡る人に伝えたい3つのポイントをお伝えしましたが、ぜひ参考になさってください!
↑フリートークの音声コラム「房総APPS」もぜひ視聴ください!(ダラダラと喋ってますけど)
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